しょういうこと

一人前になるにはどうしたらよいか。

そうだね。難しいね。

私は1つ基準を考えたよ。

物まねされて一人前なんだと思う。

わかるよ。わかる。でも考えてみてくれ。

画家で言えば模倣されて一人前と言い換えることができる。

スポーツ選手で言えばフォームを盗まれて一人前と言い換えることができる。

これだとずいぶん印象が変わらないかな。

つまり真似したくなる何かを持っていることが一人前なのだ。

そう。そうだね。そうだ。

 

では真似されたくなるような一人前になるにはどうしたらよいか。

ここで柔軟に発想しなければいけないよ。

一人前になったら真似される。

つまり、物まねされたならば一人前と言うことができる。

ということは、一人前になるには物まねされればよいと言えるね。

 

眉根にしわを寄せてどうした。

そう。明快な論理であり明確な事実だよ。

 

ではどうすれば物まねされるか。

いやそうじゃない。

別に実力がなくてもいいんだ。

物まねとか似顔絵とかいうものは本当に似ている必要はなくて、

特徴を捉えることの方が重要なんだ。

つまり、捉えやすい特徴を持った人物は物まねしやすいと言える。

物まねしやすい人物になれば物まねされるから、一人前と言えるね。

 

 

わかるかい。そう。そうなんだ。

 

ではどんな特徴を持てばよいだろう。

君は特に何の特徴もないつまらない人間だけれど、

だからこそ特徴づけさえできれば化けると私は思うんだ。

そう。君は原石だよ。

きらきら輝くのが私には見える。見えるんだ。

 

特徴と聞いて君は何を思い浮かべるかな。

平凡な君が思い浮かべることなら多くの市井の人々も思い浮かべるだろう。

つまり君の中にはすでに一人前になるヒントはあるんだ。

そうさ。君は一人前の宝庫なんだよ。

 

鼻毛。なるほど。いいところに目を付けたね。

鼻毛は確かに特徴的だ。

例えば同じ名前、同じ顔の人物が50名いたとして、

そのうち1人の鼻毛が出ていれば差別化されるね。

明らかに鼻毛の出ている人物だけ特別扱いされる。

それ以外の49名は曖昧模糊としたその他大勢だ。

つまり鼻毛の出た1名だけが一人前と認識されたのだ。

うん。やるじゃないか。

 

でも鼻毛が出ているのが1名だと君は思うかい。

そう。そうだね。何人かは出ているだろうね。

じゃあどうしたらいいだろう。

うん。禿げ。そうだね。禿げていると特徴的だね。

でもそれだけで唯一無二と言えるかい。

はは。なるほどそう来たか。

考えたね。おならか。

うん。これ以上ない特徴だ。やるじゃないか。

 

君ならばもうわかったと思う。

今まで私が言ったことを思い返すといい。

そう。

そうだ。

つまり、一人前になりたければ鼻毛が伸ばし放題で頭が禿げ上がって、ひっきりなしに屁をこいていればよい。そういうことだ。

恐れ入ったよ。君は人生における真理にたどり着いた。

まさにそれが一人前なんだ。

がんばれ。

がんばれ。

がんばれ。

 

 

 

 

子供のころカッター買ったら儲かったーというフレーズをよく口ずさんでいました。

今も使われているのでしょうか。

ここだけの話、カッターを買って儲かるというのはどういうことなんでしょう。

カッターを仕入れて売って儲かるならわかるのです。それが経済です。

しかし買って儲かるとはこれいかに。

本来の価値よりも大幅に安く買うことができたことを指すのでしょうか。

その分儲かったと言っているのでしょうか。

 

あの、カッターの安売りというのはどこでしているのでしょうか。

あの、ご存じありませんか。カッターはどこで安く買えるのでしょうか。

あの、カッターを安く手に入れるにはどうしたらいいのでしょうか。

 

 

 

 

 

輪ゴムが切れてぺちんと当たるとなんだかとてもやるせない気持ちになる。

それは多分自分を叩いた相手が既に他界しているという状況によるものだ。

怒りの矛先をどこに向けてよいのかわからずにわたしは途方に暮れるのだ。

 

輪ゴムは最後の力を振り絞ってわたしを打った。

その事実が私を消耗させる。

輪ゴムにとってわたしは何であったのか。

 

 

 

醤油のことをソイソースというのをやめてほしい。

ただでさえソースは群雄割拠なのだ。

醤油なんて立派な名前があるのに混ざりに来なくていいんだ。