モーションは牛の小便じゃないです

正義って字を全部マサヨシって読むと、
人生が少し楽しい。





少しね。ほんの少しね。


でも、運行をウンコと読むともっと楽しい。







それで楽しい人生ってどうなのかね。






車窓に流れる景色は風景画のようで
いかに臨場感あろうとも絵に過ぎなかった

分厚いガラスに守られたそれは
触れることのできない観るためのもの
そう思い込んでいた

ほんの少しでよかったのだ
ただ一歩踏み出せば私はその世界に居た

いつも眺めるだけだった作品の中に自分がいる
それはくすぐったいような高揚感
そして異分子たる自覚からの座りの悪さ

あれも見たことがある
これも見たことがある
初めて目の当たりにする絵画の世界は
決して別世界ではなかった

全ては同じように動き同じように止まる
私の世界と何ら変わらず鼓動している
私は昂りを押さえることができない

筆で掃いたような緑も近づけば命の塊だった
神秘的とさえ言える建物も近づけば石くれだった
そこに営みがありそこに死がある
同じように笑い同じように泣いている

ただひとつ違いがあるとすれば
だしの素の匂いがすることくらいだ
どこもかしこも常にカツオ臭がする
これは私の世界と違うこんな世界は違う

カツオの薫りに包まれながら啜るコーヒーは
私の目を覚ますのに十分に刺激的だった
帰ろう私の日常へ

私は再び分厚いガラス越しに眺める
鼻の奥に残るカツオの匂いを嗅いだ気がした






ある細菌学者の最後の日記


替え玉無料と書いてあるのにお金とられた
滅んでしまえ